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宿泊レポート

初心者は泣くかも。奄美大島のゲストハウス「昭和荘」がディープすぎて面白かった

こんにちは、あきらです。久しぶりの登場ですが、みなさんお元気でしたか? どんなゲストハウスに泊まりましたか?

さて、最近はお洒落で女子受けがよく、ゲストハウス初心者でも泊まりやすい宿が増えたと思います。

しかし今回ご紹介するのは、そんな流行とは真逆の、初心者には絶対おすすめできないディープなゲストハウス。奄美大島にある「昭和荘」です。

スタッフは無愛想だし、リビングには監視カメラがあるし、聞きたくもないスピリチュアルな説法を聞かされるし、まあ色々とすごかったです。

ただ好きな人はハマると思いますし、わたし自身また泊まりたいと思ってしまう不思議な魅力のあるゲストハウスだったので、紹介してみようと思いました。

よろしければお付き合いください。

予約は銀行振込のみ

まず予約の方法ですが、ホームページのお問い合わせフォームから宿泊希望日などを送り、返信されたメールに記載された期日までに代金を振り込みます。

支払いは銀行振込のみで、期限までに振り込まないと自動的にキャンセルされるため、Booking.comなどの予約サイトに比べると手間がかかります。最近の便利さに慣れた旅行者ならここで挫折するかもしれません。

いかなる場合もキャンセル料が100%発生するので、振り込んだからには「絶対行かねば」という緊張感が生まれます。なお宿泊料は1泊1500円と格安です。

送迎サービスが片道3000円で頼めるのですが、それが高いのか安いのか、土地勘のない旅行者には判断が難しいところ。ただ奄美空港から昭和荘までは70キロメートルも離れているし、バスは本数が少なく不便で、ひとりだとレンタカーも高くつきます。

ということで送迎をお願いしましたが、結果的にお得だと感じました。ここはケチらず送迎を頼むことをおすすめします。

見た目はボロいが館内は清潔

そんなんこんなで、青い屋根が目印の昭和荘にたどり着きました。リゾート気分の女子なら「お金をもらっても泊まりたくない!」と逃げ出しそうな、お洒落とは程遠い外観です。

実際、昭和荘は「濃い旅人だらけのゲストハウスを目指しています」と明言し、団体予約も拒否しているほど。見た目のボロさは、客層の“濃度”を高めるためのフィルターになっているのかもしれません。

 

ただ館内はとても清潔で、掃除の行き届き具合は今まで泊まったゲストハウスの中でもトップクラスでした。

清潔な布団と毛布のあるベッドルームは、冷える夜でも温かく寝れます。寝室は男女それぞれの専用ドミトリーが一室ずつあります。

 

こちらは共有スペースの居間。いろんな物が乱雑に置かれているように見えますが、環境維持に気を使っているようで、本などの位置が少しでもずれていると翌日にはピシッと直されていました。

 

種類豊富な食料や酒が売られているので、外に出なくてもある程度のものは揃うようになっています。

昭和荘の個性的すぎるサービス

ここまでは何の変哲もない一軒家ゲストハウスですが、昭和荘の特徴はなんといっても個性的なサービス内容! 他のゲストハウスでは考えられないようなサービスがあったり、逆に一般的なゲストハウスでは当然のサービスがなかったりします。

そんな中でも特に衝撃的だったことをいくつか紹介させてください。

1. スタッフがコミュニケーションを拒絶する

スタッフは掃除と集金のとき以外は一切姿を見せません。共有スペースに設置した監視カメラでゲストの動向を把握しています。

こちらからスタッフに用がある場合は室内のインターホンを使うのですが、旅の相談をしたら「置いてあるガイドブックに書いてある」と言って相手をしてくれませんでした。ホスピタリティは微塵もありません。

ガイドブックの他にも先人が残した旅ノートがあるので、情報はここで仕入れましょう。

2. スピリチュアルな説法を聞かされる

据え付けのスピーカーから唐突に宿からのお知らせが放送されます。お知らせだけでなく、朝には島方言のラジオ体操が、消灯時間には江原啓之氏のありがたい説法が流れてきます。

説法の内容は毎日変わりますが、「いらねー」と口に出してツッコんでしまうことばかりでした。

3. レンタル用品が本格的すぎる

原付バイク、キャンプセット、ハンモック、つり竿、シュノーケルセット、携帯ガソリンタンク、金属探知機など、数日なら無人島でもサバイバルできそうな装備が揃います。原付レンタルは島の探索にかなり役立ちました。

4. ツアー内容がマニアックすぎる

昭和荘ではさまざまなツアーを催していて、雨の日でも楽しめるスポットを巡る「雨の大島1周ツアー」や、断崖絶壁にある灯台を目指すツアーのほか、

 

ジャングルの奥にある住人1名の超限界集落に行くというディープなものもありました。気になり過ぎます……。

昭和荘オーナーのタケさんはハブ捕りの名人で奄美の森にも詳しく、ガイドしてもらう価値は十二分にあるでしょう。

一周まわって楽しくなってくる

このように超個性的な昭和荘ですが、はっきり言って最初の印象は最悪でした。とくにスタッフの対応は、近頃のゲストハウスのようなフレンドリーなものとは正反対の無愛想っぷりで、かなり戸惑います。

ところが不思議なことに、2日目を過ぎた頃にはそんなスタイルにも慣れ、逆に楽しくなってきます。なかでも面白かったのが、前述した江原啓之氏の説法でした。

「昨晩の放送、江原啓之が歌ってませんでした?」

「うん。『それではお聞きください、アヴェ・マリア』っつって、お前が歌うんかい!って思った。」

など、なんだかんだ話のネタにしながら他のゲストたちと盛り上がりました。

説法をはじめ、まるでテレビ番組の「笑ってはいけないシリーズ」のようなツッコミどころ満載の体験を共有しているうちに、ゲストたちのあいだに不思議な連帯感が生まれていきます。

やがてみんなで行動するようになり、一緒に島の探検を楽しむようになった頃には、昭和荘のサービスなどは些細なことに感じていました。

さらば昭和荘、また逢う日まで

そうして3泊4日を過ごした昭和荘ですが、最悪だった印象もチェックアウトのときには180度変わり、寂しさすら感じている自分がいました。そんな思いで帰りの送迎を待っていると、やはり唐突にスピーカーが鳴ります。

いつものラジオ体操や江原氏の説法かと思いきや、聞こえてきたのは昭和歌謡の名曲“また逢う日まで”。

あまりにもベタで笑えましたが、スタッフはコミュニケーションが不器用なだけで、精一杯もてなしてくれていたのかもと感じました。


スタッフのナオミさん

最後の去り際には、いい映画を観終わったときのような、ちょっぴり寂しさの混じった清々しさを覚え、また来ようと思ったのでした。

さいごに


加計呂麻島に落ちる夕日

奄美大島の昭和荘、いかがでしたか? ゲストハウスに慣れていない人なら絶対泊まりたくないと思ったことでしょう。

しかし、サービスも良くて設備もホテル並みに整ったゲストハウスが増えた今では忘れがちですが、本来ゲストハウスとはセルフサービスの宿です。なので本質的な部分は昭和荘も最近流行っているゲストハウスも変わりません。

昭和荘が他と違っているのは、スタッフが黒子に徹することで宿泊者の自発性を促しているところ。それが初心者のハードルになり、旅慣れたベテランが集まり、接客力や設備に頼らずとも居心地のいい雰囲気がつくられるのです。

我こそはという旅好きの人は、ぜひ昭和荘に泊まってみてください。きっと楽しい滞在になりますよ!

逆にゲストハウス初心者の人は、くれぐれも軽い気持ちで泊まらないようにしてくださいね。

 


奄美大島のマングローブ原生林

なお、奄美大島を探検して刺激的なことをたくさん経験したのですが、魅力的すぎて紹介するのがもったいないので教えません。

それではまたどこかでお会いしましょう。

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