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旅日記

生きることと働くこと。カンボジアの子供たちから学んだ、旅と人生についての考え方

みなさんこんにちは! 毎日寒いですね〜。私は地元の秋田でもさもさ降る雪を片目にパソコンに向かっております。そんな万年肩こりの私がマッサージ店で言われたいちばん衝撃的だった言葉は、「あらあら、おにゃんこさん(猫背の意)ですね〜?」。

どうも、猫アレルギーのアビーです。ちょっと日本寒いんで、南国の話でもしましょう。

今回の舞台は、かつて海外ひとり旅の道中に訪れたカンボジアです。タイのバンコクから陸路で約半日かけ、意気揚々とカンボジアのシェムリアップにやってきた私。そこで、幼いながらも自分たちの力でお金を稼ぐ子供たちの、リアルな生活を垣間見ることになります。

それまでテレビや雑誌、インターネットなどで何度も見てきたし、頭で分かっていたつもりでいたけれども、実際に全身で体感した光景には衝撃を受けずにいられませんでした。

カンボジア有数の観光地シェムリアップへ

シェムリアップってどこやねんと思ったそこのアナタ!

ヒントはこれです。

 

このシルエットです。

わかりましたか? シルエットの正体はアンコールワット。そう、シェムリアップとは有名なアンコールワット遺跡のある街のことでした!

 


朝日をバックに記念写真を撮るお坊さん。少し恥じらう姿がキュートです。

ここは物価も安く、食べ物の味も他の東南アジアよりマイルドで日本人好み。そのため日本からの観光客も多く、日本語を話す現地の人にもたくさん会いました。

おもしろかったのが、街中で何度も「アジノモトーーー!!!」と叫ばれたこと。というのも、ここカンボジアでは「味の素」が様々な料理に欠かせない存在として根付いており、日本人と思しき外国人にはとりあえず「アジノモト」と話しかけてくるのです! 世界の台所でも大和魂は健在なんですね、さすが。

路地裏のゲストハウスで出会った、屈託のない子供たち

そんなシェムリアップの町には安価な宿泊施設も多くあります。その中のひとつが、大通りから細い道を抜けた静かな住宅街にある「シティプレミアムゲストハウス」。2人の日本人が経営していると受付の女の子が言っていた気がしますが、もう2年も前の話なので記憶が曖昧です。

その当時、スタッフの家族なのか近所の子供なのかは分かりませんが、2人の少年少女がいました。

 


し、少年! 顔がなんかヤラシイよ!

とっても人懐っこいこの子たち。

 

私のiPhoneや一眼レフに興味津々のようで、すぐに2人のシャッター乱打戦が始まりました。

 

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第1打は宿の内部。寝そべっているのはスタッフです。Good job!

 

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第2打は犬! いたんだ! 記憶にない!!

 

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完全にピンボケの第3打は、私と少年。タイパンツ懐かしいー!!

 


し、少年! 目がなんかやばいよ!

第4打、「俺にも貸してや……。」

 

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最後の第5打は、少女の独裁ぶりにたじろぐ私。「WHAT TIME IS IT?」のTシャツ、確かこの宿で洗濯したまま置き忘れたんだよな……。

こういう時間も、人同士の距離が近い宿ならではですよね。やはり子供は全世界共通で可愛いですなあ〜。きっとこの子たちはこうして、世界中からやってくる旅人を癒してくれていることでしょう。もし自分が小さい頃、この子たちのように毎日入れ替わる外国人のゲストと接していたら、全然ちがう感覚を持った大人になったのかな、とちょっぴり羨ましく感じます。

ただこの時の私は、子供たちを取り巻くシビアな世界がこの町にあることに、まだ気づいていませんでした。

幼いながらも、自分たちの力でお金を稼ぐ子供たち

この写真に写っているのは、アンコールワット周辺の遺跡で出会った少年です。彼は観光客が捨てたタバコの吸い殻を拾って吸っていました。もっとくれ、とタバコをねだる仕草にはまだあどけなさが見て取れます。

彼らは訪れる人の先々に立って、半強制的にガイドのような役割を申し出ては、最後にチップを求めます。それが、彼らの日常です。

 

朝日を待ったアンコールワットの池のほとりでも、たくさんのお土産を持った売り子の子供たちに出会いました。暗記したであろう日本語や英語の売り文句を呪文のように唱えて訴えるその姿に、胸が痛みました。

それで彼らの笑顔が見れるのなら、たった1ドルぐらい惜しむべきでないのかもしれないけど、そういう問題じゃないと言う自分がいて、けっきょく私は何もできませんでした。

ここで出会った子供たちにどう対応すればよかったのか。正解はあるのか。何度も何度も考えました。私は当たり前のように学校に通い、「義務」と課された勉強をやってきました。働いて資金を集めて、海外に旅立ちました。そうしてそこで目にしたのは、必死でお金を稼がんとしている子供たちでした。彼らにとって働いてお金を得るということは、大人子供関係のないこと。それが生まれながらに与えられた「義務」であり、当たり前の生活なのです。

 

彼らはここで生まれ、私は日本で生まれた。それぞれの日常の中で生きてきたので、そこに違いがあるのはしょうがないこと。ならば私は日本人として、その延長線上にある幸せを噛み締めて過ごそうと思いました。恵まれた国で恵まれた生活を送ってきたという自負があるからこそ、無理に背伸びをせず、日本人として恥じない旅をしようとそのとき心に決めました。

でも、できることならどんな人々とも、空が綺麗だとか、食べ物が美味しいとか、そういう感覚的な幸せを共有したいなあと思います。それがいちばん簡単なようで難しいことなのかもしれないけど。

私の場合、したい「旅」がしたい「生き方」に直結しています。よく自分探しの旅がなんちゃらとか言うじゃないですか。この表現はあまり好きじゃなかったんですけど、まんざらでもないやつでした。てへ。

さいごに

旅に出て2ヶ国目にして出会った、働く子供たちへの葛藤と、対照的な宿の子供たちの笑顔。同じ国の同じ地域で、外から来る人々と関わる彼ら。その姿から学んだことは、その後の旅の中でも、そして今もなお、私の頭の中でぐるぐると回っています。でもこういう答えのない自問自答から突如見えるものって、ありますよね。

私はこういう未知の日常や価値観の中に身を投じられるのが、旅の醍醐味だと思います。そこでインプットしたものを、自分なりに再構築して、アウトプットし続けてゆきたいです。だから旅はやめられないんだよな〜!

というわけで、「ドラムスメが行く! 全米が泣いて笑った海外ひとり旅(いま勝手に命名)」は、まだまだ序盤です。これからもちょいちょいオススメ宿と共に、お土産話に付き合っていただけたらと思います。みなさまの旅と、その先の幸せな日常のヒントになることを願って!

さて、次はどこに行こうかな〜。

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