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旅日記

海が、山が、教会が美しい!隠れキリシタンの歴史が伝わる五島列島を旅してきました

はじめまして、みや子です。長野県の南のほう、いわゆる「南信」からお届けしております。

さっそくですが、今回は長崎県の五島列島の旅をレポートしたいと思います。

長崎県本土から西に100キロメートルの沖合に浮かぶ五島列島は、中通島、若松島、奈留島、久賀島、福江島の5つの大きな島を中心とした島々です。


飛行機から見えた中通島

その昔、五島列島には多くのキリスト教信者が幕府からの弾圧を逃れるために長崎や佐世保から移住し、禁教令が解かれた後にその信者たちによりたくさんの教会堂が建築されました。

そんな教会堂をぜひ一目見たいと思い、長野からはるばる五島列島まで3泊4日の旅へ繰り出したのでした!

五島列島へは海路が安くておすすめ

五島列島への最速アクセスは飛行機を乗り継ぐことですが、空路は本数が少ないうえにとにかく高い! 私のように長野からの出発だとセントレア(中部国際空港)から長崎が3万6000円で、長崎から福江島が1万3500円の計4万9500円。これなら海外行けちゃうよ……。

ところがLCCと海路を駆使すればセントレアから福岡がジェットスターで6000円、福岡から五島列島までがフェリーで4840円と、トータルたったの1万840円!

なるべくローコストでたくさんの教会堂を巡りたい私は、迷わず後者のルートを選びました。

 

今回は博多から出ている定期フェリー「太古」の夜行便に乗って、五島列島各島へのアクセスのハブとなる福江島に上陸します。そこから久賀島→福江島→奈留島→中通島→福江島の順に島をめぐる3泊4日のプランを立てました。

 


福江島ターミナル

ということで福江島に到着です。写真ではただの曇り空に見えますが、実際は嵐のような暴風雨! しかもそのせいで久賀島への定期船が欠航!

初日早々にして終わった感が漂い始めましたが、運良く団体さんの貸切船に同乗させていただけることになり、無事に久賀島へ行くことができました。

日本最古の木造教会がある久賀島へ

大揺れの船に揺られること20分、久賀島へ到着しました。島内の徒歩移動は大変ということなので、タクシー会社さんで「こモビ」なるものをレンタルしました。

こモビとは屋根付きバイクに扉がついたような乗り物。ガタがきているためドア付近に隙間ができており、雨風がばんばん入ってきました。なお2017年8月現在ではレンタルが終了しているようです。

 

そのこモビでまず向かったのは、日本で最も古い木造の教会堂、旧五輪教会堂。老朽化が進んで何度も取り壊しが検討されましたが、教徒さんの尽力により移築され、現在もその姿を残しています。

インフォメーションセンターで予約すれば見学でき、現場では地元の人が教会の歴史を説明してくれます。この日はまさに弾圧を受けたキリスト教徒の子孫の人がお話をしてくれましたが、現代にも通じるような考えさせられる内容でした。

福江島で淡い失恋を味わう

続いては再び船で福江島に戻り、堂崎教会堂を目指します。ところが港の最寄りのバス停で目的地までの時刻表を確認すると、次のバスは2時間後! 歩けば30分だそうですが、そんなに歩きたくないしな……。

愕然としていると、「堂崎まででしょ? 乗せてきましょっか?」と、さっきまで乗っていた船の乗組員のお兄さんが声をかけてくれたではありませんか! しっかりご厚意に甘えさせていただき、車に乗せてもらいました。

突然の優しさにドギマギしながらこの後のトキメキ展開を助手席で妄想していると、「ここからは車入れないんで。教会ほら、見えてるでしょ。じゃ、お気をつけて!」と言ってお兄さんはあっさり去っていきました。束の間の幸せ気分をありがとう。

 

ちょっぴり失恋気分でたどり着いた堂崎教会堂は、レンガ造りの重厚な外観。五島列島に多くの教会を建てた建築家、鉄川与助も建設に携わっています。内部は資料館のようになっていて、絵画やロザリオ、燭台などが展示されていました。

奈留島は教会以外の見どころもたくさん

翌日は朝の便で奈留島へ行き、レンタカーを借りて島を巡りました。

まず向かったのは、木立の中にひっそりたたずむ江上教会堂。こちらもインフォメーションセンターにて事前予約が必要です。

 

白と青のかわいらしいデザインで、湿気対策で屋根に開けられた通気口はすべてお花の形。凝ってるー!

 

窓ガラスにも椿の花模様が入っていて、とってもかわいい教会でした。

 

奈留島には教会以外にも、世にも珍しい石が転がる浜辺があります。こちら一見すると何の変哲もない石ですが、ひとつひとつがくっついてるのです! ガシガシ蹴ってもびくともしないので、記念にひとつくすねてこようと思いましたがダメでした。

教会の数が最も多い中通島

奈留島の次は、五島列島の中でもっとも教会が多い中通島へ上陸。この日に泊まる宿のご主人が教会めぐりに連れて行ってくれるということで、港まで迎えに来てもらい、8箇所の教会を案内してもらいました。ありがたやー!

が、こちらの中ノ浦教会以外の写真を撮り忘れてしまったのでここには載せられず。何やってんだあたし……。

 

ところで私クジラが大好きなんですが、かつて捕鯨が盛んだった中通島には「鯨賓館(げいひんかん)ミュージアム」という個人的激アツスポットがあり、捕鯨に関する資料やクジラの模型が展示されています。

 

シロナガスクジラの重さを自分の体重で換算してくれる装置があったのですが、彼は私の808人分だそうです。計算したらダメ、ゼッタイ♡

 

ついでに、青く透き通った美しい海水がある蛤浜にも立ち寄り、中通島をあとにしました。

最後は五島列島の魅力が凝縮された福江島へ

中通島から再び福江島まで戻ったら、すぐさまレンタカー屋さんに向かいます。五島列島最大の面積を誇る福江島を巡るには自動車が必須なので、小回りが利いてエコな電気自動車をレンタルしました。

まずやって来たのは、映画『くちびるに歌を』の舞台にもなった鯛ノ浦教会。白い教会堂と青空のコントラストが素敵です!

 

次に訪れた楠原教会では、重厚なレンガ造りとステンドグラスの美しさにうっとり。言うなれば男の人もね、ずっしりがっしりしててほしいですよね。それでいて繊細だったらなおいいですよね。そんな感じの教会です。

 

こちらは寄り道した魚津ヶ崎公園ですが、見てくださいこの満開の菜の花!

 

海とのコラボも素敵!

 

さらにはこちらの高浜海水浴場の、なんじゃこりゃああぁぁーー!!ってくらいブルーの海。美しさに目が眩みます。

 

そして最後に旅の最終目的地である大瀬崎灯台からの夕陽をお届けするつもりだったのですが、電気自動車の充電が切れそうになったので急遽充電スタンドに立ち寄らざるを得なくなり、

 

やっと灯台に着いた頃には日が暮れていましたとさ。せっかくなので遠巻きから記念撮影した灯台を載せておきます。

そんなわけで、スリリングで、ハートフルで、ビューティフルな五島列島に魅了された3泊4日の旅でありました!

さいごに

かなり駆け足での紹介になった感がありますが、五島列島はいかがでしたか?

イレギュラーな出来事の多い旅でしたが、行く先々で島の人の優しさ、おいしい食べ物、美しい景色に癒され、たくさんのエネルギーをもらった旅でもありました。

もし五島列島に興味がわいたら、現地を訪れる前にぜひ映画『沈黙‐サイレンス‐』をご覧ください。キリスト教弾圧の様子がリアルに表現されています。島の歴史を通じて自分たちの生き方も見つめられるのではないかと思います。

ちなみに福江島での宿泊は「ゲストハウス雨通宿(うとじゅく)」でお世話になりました。近隣住民にも利用されるバーがあるゲストハウスで、私も地元の人と仲良くなり、カラオケ、スナックと楽しみました!

そんな島のみなさん曰く、五島列島の旬は夏!だそうです。今年の夏、魅力盛りだくさんの五島列島へ出かけてみませんか?

五島ゲストハウス雨通宿

長崎県五島市

ドミトリー:2777円~

 

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