こんにちは、ひげむぅ管理人のカズヤです。構想から半年を費やして出来上がったこのサイトですが、この記事をもちましてとうとう本オープンとなりました。これからもよろしくお願いします。
今回は東京都で唯一(離島を除く)の村、檜原村にあるゲストハウス「へんぼり堂」に、取材を兼ねて泊まりに行ってきました。
檜原村とは
東京都西多摩地域の奥地にある人口2379人(2015年1月時点)の村で、その土地の9割以上が関東山地の森林という絵に描いたような田舎。あちこちに「こんにゃく」と書かれた看板があったので、名産なのかも。
へんぼり堂周辺に到着
すごい場所に来ました。東京都にもこんな地域があったなんて。空気は澄んでて、渓流から聞こえる水音も心地よくて、なかなか気持ちのいいところです。
さて、地図で見るかぎり「へんぼり堂」はこのあたりなのですが、見たかんじでは普通の家しかありません。本当にこんなところにあるのでしょうか。
すると、なんとなく口のかたちが「へ」に見える置物を玄関前に置いている家を発見。
さてはここがへんぼり堂なのではと恐る恐る玄関を開けてみると、やはりそうでした。
管理人の鈴木さん
「鈴木さん」という字面からは平凡以外のどんな要素も感じられませんが、実はかつて有名IT企業でバリバリ働いていた、とても頭の切れる人。西多摩地域でよく採れる「のらぼう」という野菜が好き。
さっそくインタビューに
今日は取材ということで、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。うちは基本的に週末の習い事イベントがメインなので、平日の今日は西田さんひとりで貸し切り状態ですよ。ところで数馬の湯には行きますか? 19時で終わっちゃうので早めに行ったほうがいいですよ。僕も後で行きます。
ああ、近くの温泉ですね。じゃあご一緒してもいいですか?インタビューはそのあとにしましょう。
そうですね。夕飯はどうしますか?数馬の湯で食べることもできますが。
ではそこで食べましょう。
ひとまず温泉へ
ということでまずは近所の温泉、数馬の湯へ。なんとへんぼり堂からは無料で送迎サービスが利用できます。へんぼり堂にはシャワールームもありますが、ほとんどのお客さんはこの数馬の湯を利用していくのだとか。料金は大人700円。
着きましたね。ああ、中に食事処があるんですね!
そうです。そしてすみません、今ちょうどラストオーダーが終わったみたいです。売店に地元の名産品があるので、蕎麦でも買って帰りましょう。
……はい。
宿に戻りお蕎麦をいただく
いい湯でしたね!露天風呂もあって最高でした!
いいですよね。僕もよく行くんです。それではちゃちゃっと蕎麦を作っちゃうんで、ちょっと待っててください。
いいんですか?ありがとうございます。ちなみに普段お客さんが来てるときって、夕飯はどうしてるんですか?
みんなで自炊しますよ。お客さんひとりひとりに好きな食材を持参してもらうようにしていて、みんなが持ち寄った食材を並べて、さあ今晩は何を作ろうかというとこから始まります。
それは楽しそうですね!
ええ、へんぼり堂で行われるあらゆるプロセスを、集まったお客さん同士が仲良くなれるようにしているんです。みんなでご飯作ったら、絶対仲良くなれるでしょ?
間違いないですね。僕は料理が苦手なんでちょっとアレですが。
十何人もお客さんがいれば1人や2人は料理上手な人がいるんです。なので毎回なんとかなってますよ。ただ稀に誰も料理が出来ない壊滅的な状況があって、そういうときは僕が手伝います。
なるほど安心です。お客さん同士が仲良くなれるように色々と工夫されているのはいいですね。他に何かこだわっていることはありますか?
へんぼり堂にはテレビ・音楽・時計がありません。これは賛否両論あるんですけどね。
それはどういった理由からですか?
なんていうか、わざわざこんなとこまで来てテレビ観ないでしょっていうのがあって。あと、かけている音楽で空間の雰囲気が決まっちゃうから、それもどうなのかなって。
なるほど、なんとなくわかります。では時計は?
時計はあったほうが100パーセント便利なんですよ。
ええ。
まあ……、気にしなくていいんじゃない?っていう。
フフッ。笑
それによってバスを逃す人が超多いです。
置きましょうよ時計!
まあハプニングがあったほうが、面白い体験として印象に残るかなってのもありますしね。
それはまあそうですが。
蕎麦が完成
そうこうしているうちに蕎麦が出来上がりました。地元で栽培されている舞茸と、のらぼうというホウレン草のような野菜が一緒に煮込んであります。
めっちゃ美味しそうですね!いただきます。
よかったら缶ビールもあるんでどうぞ。
わあ、ありがとうございます!お客さんに出すために常備しているんですか?
いや、うちにあるお酒はほとんどお客さんの置き土産です。大勢で飲んだあとって、大体お酒が余るじゃないですか。
宅飲みしたときのあのかんじですね。
そうそう。
そしてインタビューに
それではそろそろインタビューを始めさせていただきます。
わかりました。ちなみに結構取材に来られる方が多くて、よく質問されることとその解答をまとめたドキュメントがあるんです。まずはそれを見てもらってもいいですか?
そんなのがあるんですね。どれどれ。
……。
ああ、僕が聞きたいこと全部ここに書いてありますね。
そうでしたか。事前に送っておけばよかったですね、それ。インタビューされた記事が色んなメディアに載っているので、そのへんも見てもらえれば大体のことはわかると思います。
……。
……。
飲みましょうか。
そうしましょうか。
さっき台所に赤霧島のボトルがあったので、それください。
わかりました。
1時間後
いやあ、完全に「家」ってかんじのこの雰囲気、いいですね。
もっとお洒落にしてみようかなとも思ったんですけど、そうするとカッコイイのが好きな人が来ちゃうし。
そういう人がターゲットではないと。
はい。
2時間後
のらぼうってめっちゃ美味いですね。
美味いですよね。でも言葉でこの味を上手く説明できなくって。ホウレン草と似てるけど、やっぱ違うし。
言葉で伝えるのは難しいですね。僕もこの前、干し芋を説明するのに苦労しました。
3時間後
発情期の猫の鳴き声って赤ん坊みたいじゃないですか。あれ怖くないですか?
怖いですね。初めて聞いたときは完全に霊的な何かだと思いました。
じゃあそろそろ寝ますね。今日は本当にありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。おやすみなさい。
まじめにへんぼり堂を紹介
へんぼり堂は、2013年にオープンしたイベントスペース併設のゲストハウス。檜原村で遊ぶ・学ぶ・泊まる・暮らすことが出来るちょっと変わった安宿で、寺子屋のように色んな習い事を体験できます。地元の方に教わる蕎麦打ちや草木染め・陶芸をはじめ、ヨガや座禅・ソムリエによるお泊まりワイン会など、バラエティに富んだイベントを数多く開催。
週末での1泊2日の体験合宿がメインですが、イベントのない日でも通常のゲストハウスとして営業しています。
館内
二段ベッドのドミトリー。古民家らしい、レトロな雰囲気の部屋。
廊下の脇にはちゃぶ台と座布団が。
共有スペース。というか完全に居間。週末のイベントはここでやることが多いのだとか。
まとめ
取材のつもりで来たのですが、なんだか友人の家で宅飲みをしてきただけのような気持ちで帰ってきました。へんぼり堂は週末のイベントがメインのゲストハウスなので平日だと特にやることがないのですが、鈴木さんと飲みながら話しているだけでも全然楽しいです!
次回はぜひ週末のイベントに参加してみようと思います。