こんにちは、石川県金沢市のゲストハウス「Good Neighbors Hostel(グッドネイバーズホステル)」のスタッフ・東(ひがし)といいます。2015年3月の北陸新幹線開通に少し遅れてオープンした当ゲストハウスも、間もなく開業1年を迎えます。
ゲストハウスで働いていると様々な国からやって来るゲストと触れ合うことになるのですが、それぞれの国にそれぞれの価値観や考え方があっておもしろいです。
たとえば、先日僕の失態によりチェックインできなかったゲストが夜中の金沢をさまよう羽目になるということが起きてしまいました。しかしそんな出来事も、国によって違う考え方や、どの国にも共通するであろう大切なことを学ぶ機会になったのです。
ということで今回は、その失態とそこから得た教訓についてお話ししたいと思います。
始まりはゲストからの「チェックイン遅れますメール」
ゲストハウスで働くスタッフの主な業務のひとつに「チェックイン」があります。ゲストに記帳してもらい、宿泊代を頂戴し、宿の説明をしながらお部屋まで案内するというものです。
当ゲストハウスは海外からの旅人がとても多いのですが、皆さんわりと当たり前のようにチェックイン時間(21時まで)を守りません……。しかしながら、ホスピタリティー溢れる当ゲストハウスではもちろんノー・プロブレムで対応させていただいております。
ある日の事ですが、ベトナムのゲストからメールが届きました。内容は英語だったのですが、大まかに訳すと以下のようになります。
ごめんなさい。乗る予定だった電車に乗り遅れてしまったので金沢に到着するのが23時20分になってしまいます。大変申し訳ないのですが、私たちが到着するまで待っていただけますか?でないと、道路で寝るはめになってしまいます。今夜は夜更かしさせることになってしまってごめんなさい。
つまり、律儀にチェックイン時間が遅れるという連絡だったわけです。それに対して「大丈夫だよ、待ってるよ!のちほど!」と返信をしました。
ちなみに僕はその時、「白山茶屋」という居酒屋で金沢の日本酒とおでんを楽しんでいました。
宿に戻って少しばかりスタッフルームでゆっくりしていたら、思った以上に酔っていたのでしょうか、知らず知らずのうちに夢の中へ。
そう、これからさきほどのベトナム人ゲストが来ると分かっていたのに、うっかり寝てしまったのです。エントランスの鍵が掛かったまま……。
ようやく到着したゲストがインターホンを押してくれたようですが、それでも僕は夢の中。そのまま気付かなかったわけですね。
ピンポーン。
ピンポーン。
ピンポーン!
ピンポーン!!!
ええ、気付かなかったわけです。
焦るゲストは再びメールを送ってくれました。「今到着したわ!誰か中にいるけど入れてくれない!助けて〜!」と切羽詰まった内容です。しかし僕は寝ていたので、当然メールも見れません。
彼女たちは警察に行ったり居酒屋に行ったりしたみたいですが、最終的には居酒屋にいた日本人が心配して一緒に来てくださいました。
そんなこんなで事情を察した他の外国人ゲストがスタッフルームをドンドンとノックしてくれて、遂に僕は目を覚ましたのです。
実に1時間以上が経過していました。
超真面目なベトナム人女性に、真面目に怒られる
さて、そのベトナムからのゲストはというと、ハノイ出身のお母さんと娘さんの2人組でした。
娘さんがすごいしっかりしていたのですが、「ベトナムの女性はすごく真面目で、何事もきっちりしている。」とおっしゃいます。恋愛においてもベトナム人女性は純粋ですが、束縛と嫉妬が半端なかったり、結婚前提でのお付き合いが当たり前。また、家族を大切にする人じゃないとダメ男の烙印を押されるそうです。
で、僕はというと、「あなたはダメ男だね」と言われてものすごく怒られました。
ま、そうなりますよね。いくらチェックインが真夜中だったとは言え、ちゃんと事前に連絡してくれていたわけですからね。
世界中をバックパッカーとして旅した当ゲストハウスのオーナーからは、「ベトナム男性は不真面目な反面、女性は超しっかりしているんだよ。気を付けな。頑張れ東くん。」というコメントを頂きました。
ポイント制で名誉挽回のチャンス
僕の失敗によりカンカンに怒ってしまったベトナム母娘。どうお詫びすればいいかと僕がしょげていると、彼女たちから「10ポイントゲットすれば許すわよ」と言われました。
それを聞いた僕は、コップを洗ったり金沢の観光地を丁寧に説明したり自転車を無料で貸し出したりして、ポイントを稼ぐことに必死でした。
ところで彼女たちは毎晩念入りに翌日のスケジュールを組んでいたのですが、最後の夜に「金沢の次は白川郷に行きたい」と相談されました。
しかしネットで調べても、翌日の白川郷行きのバスは既に予約がいっぱいです。そこで僕はお母さん手作りのオレンジピールをむしゃむしゃ食べながら、なんとかバスのチケットを手に入れられるようアドバイスをしたり、あーでもないこーでもないと白川郷への旅が少しでも快適になるよう、いろいろ提案させていただきました。
そして翌朝、彼女たちはチェックアウトしていきました。
結局、僕のことを許してくれたのかはわかりませんでした。やってしまった事は仕方がないです。それをプラスに変えるには、その分しっかりと他の事で埋め合わせをするしか方法はありません。ただ、相手が日本人ならともかく、今回はベトナム人。僕の想いが届いたかどうかは、国境を超えすぎてわかりませんでした。
しかしなんと、後日その母娘からメールが届いたのです。大まかに訳します。
こんにちは、グッドネイバーズ。あなたの賢明なアドバイスのおかげで、白川郷行き高速バスのキャンセル席を予約することができました!これであなたの罪も帳消しよ。今度ベトナムに来る機会があれば、絶対連絡してね。恩返しがしたいの〜!
「ああ、僕のことを許してくれたんだ。」そう思って、胸が一杯になりました。
誠意は世界共通なのかもしれない
これにて今回のお話はおしまいです。
ゲストハウスで働いていると世界各国の人が訪れてきて、そのたびに世界中にそれぞれの習慣や価値観があることを感じます。そして今回のベトナムの母娘さんから学んだことは、どんな人にも誠意を見せればしっかり伝わるのではないかということでした。
今後は彼女たちの事を忘れず、レイトチェックイン時の対応に気を付けつつ、一生懸命頑張ります。
Good Neighbors Hostelとは
最後に、当ゲストハウス「Good Neighbors Hostel」の紹介をさせてください。
Good Neighbors Hostelは、JR金沢駅兼六園口から徒歩3分。築40年の建物を改装した、ドミトリー2部屋、個室3部屋の小さなゲストハウスです。当ゲストハウスの雰囲気を知りたい人は、ぜひFacebookページも見てみてください。
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それではまた。グッドネイバーズホステル、スタッフの東でした。