こんにちは、ひとり旅にハマって早半年のたなです! ひとりでふらっと行っても友達ができる、そんなお家っぽいゲストハウスが大好きです。
それはさておき、1月の下旬に長野県の小谷村(おたりむら)にある古民家ゲストハウス梢乃雪(こずえのゆき)に泊まってきました。
まず小谷村ってどこだよっていう話なのですが……、
こんなところです。
写真は梢乃雪の縁側からの景色なんですけど、雪に覆われた野原と山しか見えない、日本の原風景のような場所であることがおわかりいただけるでしょう。
そんな小谷村にある梢乃雪もまた、築150年の古民家を利用した昔なつかしい雰囲気のゲストハウス。「“なにもない”が、ここにある。」をコンセプトに、大自然に囲まれた田舎暮らしが体験できる宿なんです。
まわりの景色といい建物といい「日本昔ばなしの世界かよ!」とツッコみたくなるような梢乃雪ですが、今回はその魅力をお伝えしていきます!
野を越え山を越え梢乃雪へ
梢乃雪の最寄り駅はJR大糸線の南小谷駅で、そこから出ているバスに20分ほど乗り、瑞穂バス停で降りて10分くらい歩けば到着します。
南小谷駅までは高速バスやら特急列車やら色々な行き方がありますが、交通費を抑えたい人には高速バスがオススメ。わたしは高速バスを利用しました。
ところが雪の影響により途中の駅で足止めをくらい、南小谷駅で1時間以上バスを待たなければならない事態に……。
ま、こんなアクシデントも旅の醍醐味ですから! と気を取り直して、南小谷駅から歩いてみることにしましょう。
いいお天気だったこの日は青空と雪のコントラストがきれいで、なんだかわくわくしてきますね!
とはいえこのまま梢乃雪まで歩くと1時間半もかかってしまうので、途中のバス停からバスに乗り、梢乃雪を目指します。
到着した瑞穂バス停からの景色はこんな感じ。日本昔ばなしの世界かよ! とツッコまずにいられません。
梢乃雪の駐車場付近にある看板(?)を見つけたらゴールはすぐそこ!
そしてとうとう見えてきました。ぽっぽと煙がのぼっている家が梢乃雪です。
野を越え山を越え、ついに梢乃雪に到着です!
懐かしい雰囲気あふれる築150年の古民家
築150年の古民家というのが梢乃雪の魅力のひとつですが、150年って言われてもあまりピンとこないですよね。
ただ150年前というと1867年で、江戸城が明治政府軍に明け渡されて明治時代が始まったのが1868年ですから、梢乃雪の建物は江戸時代からあるということになります。そう考えるとすごい!
そんな歴史ある古民家に上がってみると、玄関はこんな感じ。
同じく玄関を別アングルから。煙突から煙を出していたのはこの薪ストーブです。
居間にはコタツがあります。日本の冬はやっぱりコレですよね!
全国のゲストハウスのフライヤーなどもたくさん置いてあるので、旅の情報収集もできます。
この建物の雰囲気、なんだか田舎のおばあちゃんの家に遊びに来たみたいな気分になりませんか?
囲炉裏を囲んで楽しいひとときを
チェックインを済ませたあとは他のゲストさんと一緒に瘡の湯(くさのゆ)という立ち寄り温泉施設に行き、梢乃雪に戻ったら晩ごはんの準備をします!
囲炉裏がある家って素敵ですよね。懐かしい気持ちになっちゃいます。まあ囲炉裏のある家に住んだことなんてないんですけど。
ちなみに梢乃雪は“素泊まり”をしていません。「せっかく田舎に来たんだから、田舎のもの、自然のものを食べてもらおう。」という想いのもと、その日に出会ったみんなで一緒にごはんを作り、囲炉裏を囲んでみんなで食べます。
この日のゲストは総勢13名! 囲炉裏を囲むことで輪がつくられ、出会ったみんなと顔を合わせてごはんを食べることができます。
囲炉裏って暖をとったり調理に使ったりするだけじゃなくて、こうして輪を生み出す場でもあるんですね。日本の文化って素敵だなあ……。
そしてこの和やかな雰囲気を支えるのが、優しくて温かくてヒゲもじゃの宿主、ぐっさん。元々は梢乃雪のゲストだったそうですが、縁あってスタッフになり、ついには宿主になったんだそうな。
ちなみにぐっさんが手に持っているのは「雪男」という新潟のお酒。
『北越雪譜』という江戸時代の本には、“山中に現れ、旅人ににぎり飯をもらい、お礼に旅人の荷物を担いで道案内をする毛むくじゃらの異獣”として雪男が出てくるそうなのですが、優しく旅人を助ける山の守り神のような存在として描かれるその姿は、どこかぐっさんを連想させるかも……。というのはわたしの勝手なイメージでしょうか。
口数は多いわけじゃないけれども話すとほっとするし、料理もできるし、気遣いもできるぐっさん。梢乃雪に来たゲストは、きっと彼のファンになることでしょう!
ともあれ、美味しいごはんと美味しいお酒もあいまって最高の時間でした!
本気の雪遊びも楽しめる
翌朝はぐっさんが作ってくれた朝ごはんを食べ、スキーやスノボに向かうゲストさんたちを見送り、帰りのバスの時間までゆっくり過ごすことにします。
ということで、さっそく二階の縁側でぽかぽか日光浴! たくさんの雪に囲まれているけれど、晴れていると太陽の光があたたかくて気持ちいいんです。
まわりにはポツポツと民家が見えるだけで本当になにもなく、日本昔ばなしの世界かよ! と二度目のツッコミをせずにいられません。
ぐっさんが淹れてくれたこだわりのコーヒーを飲みながら、こんなのんびりした時間も幸せだな〜としみじみ感じました。
そうこうしていると、ぐっさんがソリを持ってきて「この雪を使って遊ぼう!」と言ってきました。どうやら二階の縁側付近まで積もっている雪の上からソリで滑ろうということらしいのですが、ここ、ものすごい傾斜なんですよ……。
ジェットコースター好きなわたしでもさすがにビビりましたが、ここでしかできないよね? やるしかないよね? と思いレッツトライ!
わたし、一瞬消えましたよね?
つまりそういう傾斜なんです。思いっきりコケて頭を打ったので、やる際は自己責任でお願いします。
それにしてもこんなソリ遊び、最後にしたのいつだったかな〜。童心に帰って雪遊びができる場所ってなかなかないですけど、それができるのもこんな田舎ならではですね!
ということで、梢乃雪で日本の冬を満喫してきたのでした!
さいごに
いかがでしたでしょうか? 築150年の味わい深い建物に、あたりを囲む豊かな自然、そして宿主のぐっさんが作り出すあたたかな雰囲気。たくさんの魅力が詰まったゲストハウスでしたね!
冬は厳しい寒さにさらされる梢乃雪ですが、そのぶん出会う人たちの温かさが感じられました。本気のソリ滑りができるのも真冬ならではの醍醐味です。
この雪が溶けて春がやってくる頃にはどんな景色が広がっているのか、それもまた楽しみですね。きっと春も夏も秋も冬も、それぞれの季節を満喫させてくれる場所と時間とぐっさんが待っていると思います。
ぜひみなさんも、梢乃雪で大自然を感じてみてくださいねー!