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宿泊レポート

地域と旅人をつなげる「マスヤゲストハウス」に泊まって、地方での暮らしを体験してみよう

こんにちは。旅と本が好きなアキラです。あえて人気があるところには行かず、居心地のいい場所を自分の足で探す旅を続けています。観光地を巡るより、ゲストハウスでダラダラと過ごすことをモットーにしています。

さて今回は、最近注目している下諏訪の街と、そこにある「マスヤゲストハウス」を紹介したいと思います。

アクセス良好で温泉もある避暑地、下諏訪

下諏訪があるのは避暑地大国の長野県。関東圏・関西圏・中京圏どこからでもアクセスのいい場所に位置しており、東京からだと新宿駅で特急あずさ号に乗れば2時間半で到着します。

世間では連日猛暑の続く8月初旬に訪れましたが、下諏訪はこの時期でもエアコンがいらないほど涼しいんです!日中の日なたはもちろん暑いですが、日陰に入ると涼しい風が抜けていき、避暑地に来たことを実感します。

チリーンと心地よい音を鳴らす風鈴。山から吹く涼しい風のおかげで快適に過ごせます。

 

日本三大奇祭の「御柱祭り」で有名な諏訪大社があります。

 


マスヤゲストハウスに一番近い新湯温泉

街中にはたくさんの共同浴場があり、入浴料はどこも230円。お湯はとても熱いですが、体の芯まで温めてくれます。

築100年以上の旅館を改装したマスヤゲストハウス

マスヤゲストハウスは下諏訪駅から歩いて5分ぐらいの便利な場所にあります。

20年前まで「ますや旅館」として営業していた、築106年以上の古民家を利用しています。正確な築年数は不明とのこと。

 

入口を入ると居心地のいい縁側があります。座ってお茶をするのに最適でした。

 


男女混合8人ドミトリー

お部屋は男女混合ドミトリーと女性用ドミトリーの他に、個室が2つあります。
エアコンはありませんが、下諏訪の朝は真夏でも肌寒いぐらい気温が下がるため、寝苦しくはありませんでした。厳寒の冬には湯たんぽを貸してくれます。

 

宿泊者用のキッチンは広くて使いやすいです。知らない土地のスーパーで見慣れない食材が売っているを見ると、つい自炊したくなります。

 

あるゲストさんが作った晩御飯。たくさん料理を作っても他の宿泊客が食べてくれます。

 

素敵なカウンターがありました!夜はバーも兼ねていて、近隣の人も集まってきます。地域と旅人をつなげる空間として機能しているんですね。

 

こちらはロシア式暖炉の「ペチカ」。夏は使われませんが、冬には氷点下になるこの地域では暖房が欠かせません。昨年末にもマスヤゲストハウスに泊まったのですが、みんなでペチカの火を囲んでモチを焼いたりするのがキャンプファイヤーみたいで楽しかったです。

築100年を超える古民家の大胆な改装を手掛けたのは、ゲストハウスのリノベーションで有名な東野唯史さん。最近完成した気になるゲストハウスを調べてみると、東野さんのデザインだったりします。

地域と旅人を結びつける空間

オーナーのキョンちゃんにマスヤゲストハウスについてのお話を聞いてみました。

斉藤希生子さん

マスヤゲストハウスの元気なオーナーで、通称キョンちゃん。海外旅行でゲストハウスに感銘を受け「自分もゲストハウスがしたい」と思うようになる。東京のとあるゲストハウスで数年働いたあと、2014年8月にマスヤゲストハウスをオープン。

マスヤゲストハウスを始めたきっかけは何だったんですか?

海外旅行でゲストハウスに泊まったことです。最初はゲストハウスをやるのと泊まるのとどっちが好きかわからなかったので、やるほうも体験してみようと思って東京のゲストハウスのスタッフを始めました。スタッフを経験してみて、仕事の時間と仕事じゃない時間が関係なく、そのままお客さんに伝わるところとか、ゲストハウスを通じて知らない人とつながるところがとても良いいなと感じました。

なぜ下諏訪でやろうと思ったんですか?

やろうと決めてからいろんな土地のゲストハウスに泊まってみて、ゲストハウスをすることで地方の情報が発信できることに気付いたんです。それなら自分の地元もアリかなと思って。

建物が素晴らしいですよね。どのようにして出会ったのでしょうか?

まず諏訪地域で「車が無い人でも来れる」ということを考えると、下諏訪が条件に合ったので、下諏訪に絞ることにしました。そこから空家バンクを当たったり、下諏訪の店で一軒づつ話を聞いたり、地域のイベントに片っ端から参加したりして、聞き込みを行いました。それから3か月ぐらい経ったときに、この旧マスヤ旅館が取り壊し予定で、借り手を探している事を知りました。

まるでキョンちゃんに借りられるのを待ってみたいですね。

この建物、取り壊すのはもったいないとした役場が観光振興のためにゲストハウスでもやろうと考えていたみたいなのです。でもやる人が決まらず、そのまま計画も立ち消えていました。私が使わなかったら壊されて駐車場にされてしまうところでしたよ。

まさに渡りに船って感じですね。このゲストハウスを今後どのようにしたいですが?

地域と旅行者をつなげることを続けていき、下諏訪に移住したいという人のためにも役立てられたらと思います。

私も数日滞在して、下諏訪に興味がわきました。お話聞かせてくれてありがとうございました。

 

下諏訪に移住したというエリックさんが来ていたので、なぜ移住したのか聞いてみると、「この土地に可能性を感じたから。」と即答してくれました。

マスヤゲストハウスでの過ごしかた

建物と土地がとても魅力的なマスヤゲストハウスですが、一番の魅力は集まってくる人です。泊まっていると、いろんな人に出会えます。

広島からやってきた、ウクレレ奏者のカワムラさん。朝、即興でミニライブしてくれました。素敵な演奏ありがとうございました。

 

前述の移住者エリックさんが期間限定で朝ごはん(有料)をつくりに来てくれました。エリックさんは下諏訪でカフェの開店準備をしているところだそうです。

 

宿泊1日目の朝食。冷たいスープとトーストに、コーヒーやジュースなどの選べる飲み物が付きます。

 

2日目の朝食は手作りレーズンパンとシリアル。飲み物も付きます。美味しい朝ごはんでした。

 

夜には夏らしくみんなで花火!

 

宿泊客は老若男女バラエティ豊かだったので、映画の「サマーウォーズ」みたいな雰囲気でした。

 

さて、これにてマスヤゲストハウスでの滞在はおしまいです。たくさんの人と出会って、楽しい時間を過ごしました!

最後に

よく言われるように、ゲストハウスの魅力は「他者との交流」です。マスヤゲストハウスに限りませんが、素敵なゲストハウスには素敵な人が集まってくると感じました。

マスヤゲストハウスには「土地の魅力の発信」と「地域住民と旅人をつなげる」という2つの力があります。さらにそこから少し踏み込んで、「下諏訪地域への移住のきっかけ」という役割まで果たしていることに感動しました。ゲストハウスには、自分に合った素敵な移住先を見つける手助けをしてくれる側面があることに気付かせてくれました。

知らない土地で新たな生活を想像してみるために、ゲストハウスを活用してみるのはいかがでしょうか?

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