はじめまして、くまです。兵庫県の神戸市から新潟県の佐渡島という離島に移り住み、地域おこし協力隊として活動しています。
突然ですが、これから2つの質問をするので、直感でお答えください。
- お酒は好きですか?
- 交流が楽しめるゲストハウスは好きですか?
答えましたね?
それではまず、両方ともNOだったというあなた。静かにブラウザを閉じてこの記事のことは一生涯忘れてください。
1. のみYESだったあなたは、今夜は休肝日にしてみましょう。
2. のみYESだったあなたには、この記事を最後まで読んでいただきたいです。
そして両方ともYESだったあなた。今すぐこのページから宿泊予約をしてください!
なんていう前置きで今回ご紹介するのは、新潟市にある「なり nuttari NARI」というゲストハウス。
酒処の新潟県にある時点で呑んべえにオススメなのは言うまでもありませんが、「なり」の大きな魅力は地域の人にも開かれたバーラウンジがあり、旅人と地元の人の交流が生まれること!
「人との出会いこそ旅の醍醐味だ!」という人にはぜひチェックしていただきたいゲストハウスなんです。それではさっそくどうぞー!
偶発性が生むワクワクを楽しむ「なり」
2016年12月に新潟市の沼垂(ぬったり)という地区にオープンした「なり」。新潟駅から歩いて15分で、おしゃれな工房や雑貨屋さんが並ぶ沼垂テラス商店街へも徒歩3分です。
築90年だという建物の外観には、どっしり構えた風格のようなものを感じます。
ところで屋号になっている「なり」という言葉ですが、宿のホームページによると、
大工さんのつかう言葉に、「なり」というものがあります。
始めからかっちり決めてやるのではなく、その場の空気、いるひと、起こること、色んなすべてをひっくるめて、その場に合ったものをつくる、かたちにする。感覚を研ぎすまし、頭ではなく五感をつかって。
そういう、空間の作り方。
という意味があるのだそうです。
偶発性が生むワクワクを楽しめる場所づくり。そんな想いが託された名前なんですね。まさに旅そのものだ!
女性オーナーならではの心遣いとインテリア
入口の戸を開けて玄関に足を踏み入れると、外の喧騒はどこへやら。ストーブで薪が弾けるパチッという音が大きく感じるほどの、しんとした空気に包まれました。
古民家特有のどこか懐かしい雰囲気も漂っていて、思わず「ただいま」と言ってしまいそうなマイホーム感があります。
薪をパチパチいわせていたのはこのストーブ。寒い冬でも宿を暖かい空気で満たしてくれる、頼もしい存在です。
バーラウンジの椅子には「理1」と書かれていますが、「第一理科室」のことでしょうか。確かにあったよなあ、理科室にこういう椅子。
こちらの小さなテーブルは、元々あった天板に脚を付けただけのものだそうです。
足元には長年使われていい具合の飴色になった床板が、天井を見上げれば煤けた太い梁が目に入り、長い年月を経た建物ならではの良さが生かされていることがわかります。
奥に鎮座しているレトロで重厚な金庫など、古民家の雰囲気にマッチした家具を置いているところにもセンスを感じずにいられません。
あちらこちらに花が飾られているのは、女性オーナーが営むゲストハウスならではのインテリアでしょうか。
女性らしいといえば、洗面所にはMARKS&WEBの自然派化粧水がありました。これは女性ならグッとくる!
キッチンはこじんまりとしながらも清潔ですね。
こちらは読書スペース。格子から差し込む光がなんともノスタルジックで、タイムスリップ感がたまりません! うっとり見とれてしまいました。
素敵男子がここで本を読んでいたら、この旅ぜったい何かが始まる! なーんて勘違い妄想がはかどりそうです。
今回泊まったのはこちらの女性専用ドミトリー。優しい薄ピンク色の壁が可愛らしいです。
各ベッドにはひとつずつ手ぬぐいタペストリ―が掛かっていて、徳利や笹団子など、それぞれ新潟にまつわるものが描かれています。
新潟といえばなんといっても米処ですから、わたしはおにぎりの手ぬぐいにしました。こういうのがあるとベッドを選ぶのが楽しくなりますね!
寝室にはリースも飾ってありますが、これがあるとないでは雰囲気も大ちがい。「かわいいねー!」と同室の旅人と話をするきっかけにもなりました。
笑い声のあふれるバーラウンジへ
晩ご飯は「なり」から歩いて3分ほどの「厨酒場わかつき」へ行き、リエさんおすすめメニューのから揚げをビールとともに楽しみ、ご機嫌で宿に戻ってきました。
さっそくラウンジをのぞいてみると、いつの間にかたくさんの旅人が集まっているではありませんか! しかも「団体さんでしたか?」と思うくらいにみんなが仲良くなっていて、笑顔があふれています。
その光景を前に「完全に出遅れた……。」と少し焦ったわたしですが、オーナーのリエさんとスタッフのチホちゃんが「おかえりなさーい!」と声をかけてくれたので、「ただいまー!」と言って輪の中にスッと入っていけました。
リエさんが「佐渡に行きたいっていうお客さんがいたからあとで紹介する!」と出会いをつなげてくれたりして、なんだか友人宅のホームパーティーで新しい友達を紹介されたような気分になっちゃったり。
さっきまでの暴風雨(この日の新潟は悪天候)にあおられて荒んでいたわたしの心も、スタッフのおもてなしや、それが生み出すあたたかい空気によって癒されていきます。
「はーい、消灯です!」というリエさんの声でお開きになる頃にはみんなすっかり打ち解けていて、明日には離ればなれになることを寂しく思いながらベッドに戻っていきました。
そこで驚いたのが、布団のなかにホカホカの湯たんぽが入れてあったこと。さっきまで一緒に飲んでいたはずのリエさん、いつの間に!
居心地のいい空間づくりはこういう気遣い、心遣いからですねえ……。これにはちょっと感動しました。
翌日はおにぎりとお味噌汁の朝食から始まり、寝床から起きてきた旅人たちと昨夜のおしゃべりの続きをして、それぞれ次の目的地へ旅立っていきました。
そんな彼らを見送りながら、出会いを楽しむ旅って良いものだなあと改めて思ったのでした!
さいごに
新潟市のゲストハウス「なり」、いかがでしたか? わたしはというと、その居心地の良さに完全にやられてしまいました。
なにがいいかって、リエさんやスタッフのさり気ないおもてなしがちょうどいいんですよ。さり気なくて何気ない、ちょっとした優しさが「なり」の心地良さを作っているんです。
それに加え、ラウンジに集まる旅人や地元の人たちが“なり”で作り上げる雰囲気がまた楽しい!
地元の人はもちろん、「なり」のスタッフも地域の魅力をよく知っているので、ここで情報収集して新潟市観光を楽しむのもいいと思います。町に溶け込む旅がしたい人にはオススメのゲストハウスですよ!