こんにちは、カズヤです。今回は、鶴と一緒に大根を収穫していたら石になってしまったおじいさんに扮してお送りします。
嘘です。
このおじいさんに出会ったのは、こちらの風流な日本庭園でした。一見すると文化財の邸宅のようにも見えるかもしれませんが、実はここ、東京の台東区にあるゲストハウスなんです。
その名を「toco.」といい、何を隠そう近年のゲストハウスブームの火付け役となった超人気ゲストハウス! 時期によっては2、3ヶ月先まで予約がいっぱいで、なかなか泊まれないんですよ。
真冬のオフシーズンということもあってかタイミング良く泊まれたのですが、評判通り、いやそれ以上の素敵なゲストハウスでした。今回はそんなtoco.の様子をお届けしたいと思います!
都内とは思えない趣ある古民家
日比谷線の入谷駅から徒歩2分ほどの静かな通り。地図を見ながら辿り着いた入口がここなのですが、なんというか、庭付きの古民家には見えませんね……?
とりあえず中に入ってみると、なにやらカラフルでお洒落な空間が広がっていました。ここがtoco.のリビングで、夜7時からはバーとして営業するそうです。
いや、お洒落でカッコいいのはいいんですけど古民家は? なんて思っていると、チェックインの対応をしてくれたスタッフが「ではお部屋に案内します」と言って、奥にあった扉に通してくれました。
そしたら古民家あったーーーー!!!!
なるほど、こちらの家が母屋でリビングのほうが別棟ということらしいです。建物がふたつあるんですね!
風情のある庭もさることながら、家の中もいいかんじ! 古民家ならではの懐かしくて温かい雰囲気です。こんな建物が都内に残っていたなんて驚きですね。
ドミトリーは二段ベッドで、奥の窓からは庭園が見下ろせます。
シャワー、トイレ、洗面所などの水まわりは今風のきれいなものです。
台所には食器や調味料がたくさんあるので、自炊もOKです。
う~ん、僕はもうこの庭と建物だけでもテンションが上がっちゃいます。何度も言いますが、ここ東京の台東区ですからね!
近所の居酒屋で一杯
さて、飲み歩きが趣味の僕としては近所の飲み屋もチェックしておきたいところ。そこで、toco.のバーがオープンする前にスタッフがおすすめしてくれた「オオイリヤ」という居酒屋に行ってみました。
オオイリヤは沖縄出身のマスターとその奥さんが切り盛りする小さなお店で、島野菜などの沖縄の食材を使った郷土料理が楽しめます。
外国人観光客もよく来るようで、ドバイから来たカップルやフランス人の夫婦がいました。
お店の雰囲気もすごく楽しくて、おしゃべり好きなマスターがいろいろと話しかけてくれるのですが、それにつられて周りのお客さんとも自然に会話が弾むので、気が付けばみんな仲良くなっているんですよ。
こんなふうに!
左から順にマスター、パート(?)さん、こまっちゃん(客)、女将さん、ナオミさん(客)。
こまっちゃん&ナオミさんとは「またどこかで会いましょう!」と熱く言葉を交わし、ふたりは先にオオイリヤを出て行きました。
軽く2杯くらいのつもりで来たのですが、楽しさのあまり5杯も飲んで長居してしまったので、そろそろtoco.に戻りましょう。きっとバーも盛り上がっているにちがいありません。
海外の旅人と近所のおじさんが楽しく話すバー
ということでtoco.のバーにやってきたわけなんですが……
こまっちゃんとナオミさんがいました(笑)。早すぎる再会に驚きですが、ふたりともよくここに来るそうなので、もはや必然だったのでしょう。
ふたりのような常連さんも多いようで、宿泊客以外にもたくさんの人で賑わっています。1杯だけサクッと飲んで出ていく人もいたので、気軽に立ち寄れる場所として活用されているんですね!
外国人ゲストと近所の常連さんが連れ立って回転寿司を食べに行ったりもしていました。
フードメニューもいくつかあったので、好物のキーマカレーを注文。
「んふっ……うまい……!!」
それにしても噂通りの盛り上がりで、閉店する12時までずっと賑わっていました。誰とどんな話をしたのかは全然覚えていませんが、それくらい他愛のない話ができたんだと前向きに捉えましょう。酔っていて覚えていないとかではないです。断じて。
ちなみに写真の後列真ん中に写っているメガネ男子はウエちゃんといって、去年の夏に千葉の「お茶の間ゲストハウス」で知り合った仲。ここで再会するとは驚きでしたが、あちこちのゲストハウスに泊まっているとこういうことがたまに起きるのでおもしろいです!
そんな風にしていろいろな出会いがあった一日を振り返りながら、眠りにつきました。
toco.の朝は大きなおにぎりから
翌朝はすっきりとした快晴で、澄んだ空気が流れる庭が気持ちいい!
台所では朝食が用意されていました。おにぎりふたつとお味噌汁で、白米のほうに乗っている佃煮(?)のようなものがすごく美味しかったです。これ何だったんだろう、教えてもらえばよかった。
こちらの朝食は300円で頼めます。おにぎりがかなり大きくて、隣で食べていた女の子はラップに包んで持って帰っていました。
明るい陽が差し込むリビングもいい雰囲気! この日はtoco.展というイベントの日で、bird campさんというシルクスクリーン作家さんの作品が飾られています。
ぼちぼちチェックアウトの時間なのですが、スタッフや他のお客さんと話しているうちにどんどん名残惜しくなってきて、帰りたくなくなります。あったかい宿に泊まるといつも起こるこの現象、何なんでしょう。
最後はスタッフのナナさん(左)メグさん(右)と、あとなぜかbird campさんにも見送られながら出発!
100メートル先の曲がり角で振り返ったとき、まだ手を振ってくれているみんなが遠くに見えて、僕は幸せな気持ちで入谷駅に向かったのでした。
大切なのは「人」だと、あらためて思う
都内の古民家ということで話題になるtoco.ですが、泊まってみて感じたのは「人」が素敵だなということでした。
もちろん趣ある建物と庭も素晴らしいですが、それはあくまでも人を呼ぶための仕掛けで、大切なのはそこに集まった人たちでいかに良い雰囲気を作れるかということではないでしょうか。
「良い雰囲気」のような形のないものを作るのって難しいと思うんですけど、フレンドリーで親切なスタッフや、ゲスト同士の距離を自然と縮めてくれるバーで、見事にそれを作り上げているのがtoco.のすごいところなのでしょう。
なにはともあれ、楽しいひとときをありがとうございました!