こんにちは、安住だいちです。
前回の記事では東京の中野にあるYADOYA GUEST HOUSEを紹介しましたが、今回はそのときに訪れた中野ブロードウェイの様子をお届けします!
「ブロードウェイと言えばニューヨークでしょ!」なんていう声が聞こえてきそうですが、そりゃそうです。あちらはミュージカルのメッカでショービズの本場ですから。
ですが中野のブロードウェイもワンアンドオンリーの存在感! 工学系電子オタクのメッカである秋葉原に対し、文系サブカルオタクの聖地とも言われているんですよ? ということで、さっそくいってみましょー!
中野ブロードウェイに到着
中野駅から北に歩くこと5分ほどで、中野ブロードウェイに到着です。今年で50周年を迎えた建物には、かつて政治家の青島幸男や歌手の沢田研二が居を構えていたそうです。しょこたんのお店もあると噂で聞いたような。
それでは、非日常を感じさせてくれそうな雰囲気に胸を躍らせ、いざ突撃!
屋内なのに空があります!
道端にはエイリアン!
これは……グレイ!?
4階の病院ゾーンは怪しい雰囲気たっぷり! 映画やゲームだったら人体改造されちゃいそう……。それにしてもブロードウェイ歯科ってネーミングセンスがすごい。
この他にも、アニメや映画の世界に影響されたお店がずらり。建物の古さと雑多な感じのなかに、アジアの趣が色濃く残っています。
なんだかオラ、わくわくしてきたぞ!
館内に点在する「まんだらけ」
漫画専門の古書店として有名な「まんだらけ」ですが、中野ブロードウェイのなかでは漫画だけにとどまらず、分野ごとに専門店を設けてありとあらゆる物を取り扱っています。
例えばこの、ボークス社のスーパードルフィー。同じ並びにはブライス人形のお店もありました。
こちらの生々しい人形は、押井守監督の映画『イノセンス』に出てきそうです。
そういえば以前、友人が趣味で集めている人形に触れたことがあるんですよ。そしたらなんとその人形、胸の膨らみにシリコンが入れてあり、そこだけ妙に柔らかくて変な気持ちになったことがありました。
……なんて思い出を振り返っていたら、「変や」というブースを発見。これもブロードウェイ内に数あるまんだらけの店舗のうちのひとつです。
ご加護の無さそうな鳥居をくぐってみます。
道の脇にあったケースには、おもちゃと食品サンプルが一緒に展示されててカオス。
そして鳥居の終点にどーんと待ち構えていたのは謎の人形! なんとこれも売り物でした。どうやって運び出すんだろう?
こちらはまんだらけの「マニア館」。歴代の少年ジャンプがずらりと並んでいて、青春時代にタイムスリップしそう! ジャンプ作家さんの顔出し表紙も拝めます。
『火の鳥』が連載されていた手塚治虫先生編集の幻の雑誌、COMを発見!!
こちら、手塚先生や石ノ森章太郎先生を始め歴々の連載作もさることながら、「ぐら・こん」という新人漫画家発掘コーナーが伝説となっており、現在活躍されている大御所級の漫画家さん達が多大な影響を受けております。
また、漫画を発表する場としての同人活動や、コミックマーケットの礎のひとつとも称されています。この本があったからこそ、今の漫画業界があると言っても過言ではありません!
他にもたくさんの希少品が置いてあるのですが、値札をじっくり見るとゼロの数がおかしい。ここが火事になったらエライことですね……!
スーパーファミコンのソフトが懐かしい! 年がバレる!!
年季が入ってすごくいい味の絵本も見つけましたよ!
日常と非日常が溶け合う空間
「まんだらけ」以外にも、ミニコミや同人誌専門店「タコシェ」があったり、
ダーツ専門店なんかもありました。
展示ブース「pixiv Zingaro」では、なんとステキなタイミングでしょうか、中村明日美子先生の『同級生』展が最終日でした! 『同級生』はBL(ボーイズラブ)の傑作で、アニメ化もされています。
流れる線にベタのコントラスト、キャラクターの溢れる色気が美し過ぎる!!
ってスミマセン……つい興奮してしまいました。
他にも、ここにしか売ってない物のお店がアレコレ。
汚れた大人が小金にまかせて具現化した物欲の数々を眺めてきたけれど、階段にはちびっ子たちによって描かれたピュアな絵が飾られてました。
絵画コンクールのテーマは「未来」。未来都市にファッションショーのランウェイといい、夢にあふれています!
けれど正直、子供の頃からこんな場所に出入りしていたら、どんな大人に育っちゃうんだ?と思わざるを得ません。
他にも、ふつうのレトロな美容院や、
ふつうの学生服売り場もありました。部外者の私は「非日常だ!SFだ!」と感じるけれど、ここが日常の人々も居るんですよね。
寺社や城跡はないけれど……
日本のサブカルの歴史が垣間見える中野ブロードウェイ、いかがでしたか?
私は漫画家なので、やはりCOMやジャンプなどの漫画に重点を置きがちになりますが、他にもプラモデルやアニメやセルロイドなどなど、マニアには堪らない歴史が詰まっていることと思います。専門家が居たら解説してほしい!
関東近郊在住の私としましては、近所にあるお店といえば大型ショッピングモールやチェーン店だらけ。それはそれで便利ですが、こういうワンアンドオンリーな場所には物凄く憧れます。寝泊まりしなくても旅してる気分になって、ウキウキするとでも言いましょうか……。
そんな唯一無二の場所が、日本各地に末永く残って発展していってくれたらなあ、と願ってやみません。
東京観光にお越しの際は、浅草・銀座・六本木などの定番スポットのみならず、中野をはじめとした東京の西側もいかがでしょうか?